奴のとなり



「一条さん、神崎さん!ちょっと離れるから何かあったら職員室にねー」



先生は忙しそうに出て行くと、小悪魔さんと顔を見合わせた



「これでゆっくり話が出来るわね」



悪戯に微笑む小悪魔さんは本当に綺麗で、敵に回したくないって思った



こういう時こそ輝く人なんだもん



すっと小悪魔さんの手が伸びて、あたしの目を覆う



「お話しする前におまじないしたげる」



「目を閉じて、ゆっくり30数えて」



言われた通りに数え始める



1



2



3



4、5、6、7、8、…10………



あたしは小悪魔さんのはった、優しい罠に落ちていった












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