奴のとなり



ふわっと浮上するみたいに



光に誘われるように目を開けると、なんだか体がすっきりしてて、あたしは気持ちよく目が覚めた



最初自分に何が起こったのか分からなくて、ただ少しの間ぼぉっとした時間を過ごした



時間が経つにつれ、さっきまでのことを思いだしてた



「そーだ!小悪魔さんっ」



呼んでみても、保健室は静まり返っていてここには1人らしい



それで、小悪魔さんの優しさに気づく



あたしを眠らせてくれたんだ



ずっと、ずっと眠れなかったり、眠りが浅かったりしたから



小悪魔さんは久しぶりに会ったのに、一瞬で気づいて、寝かせてくれた



自分のことを気にかけてくれる人がいるって嬉しい



ほわって心が温まる



今、すんごく小悪魔さんに飛びつきたい



抱きついて、ほっぺたすりすりしたい



あたしはうずうずしながら、ベッドを出ようと足を床に延ばした












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