奴のとなり



「どうした」



おかしいっ!



このタイミングでこの気遣い…



あたしは手をのばす



あたしの手のひらが、桃矢くんの額に触れた



「熱…じゃない」



「おい」



「桃矢くん、最近どこかにぶつけたとかない?」



「なぁ」



「ぶつけたの?」



「……ない」



「ぶつけてない…」



理由はさっぱりで、それより気になり始めたのは、桃矢くんの顔が険しくなりはじめたこと



折角ミラクルでご機嫌だったのに、心配したせいで不機嫌とか意味わかんない



気にすることは止めて、あたしは桃矢くんの隣を歩いた



桃矢くんも、何か言いかけてあきらめたらしい












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