奴のとなり

とまどいが顔に出ていたのか、皐月さんの吹き出す声と、桃矢くんの舌打ちが聞こえた



「えっ!?今の何の舌打ちなの?」



驚きすぎて、あたしはちょこまかと動いていて落ち着きがないらしく、桃矢くんの大きなため息と、皐月さんがお腹を抱えている



「ねぇ、何の舌打ち!?」



「何でもねぇよ」



「何でもよくないよ!!またうやむやにするの!」



「……。桜、お前俺が殴るとか考えたろ」



……



黙ってこくりと頷く



桃矢くんは不機嫌そうにそっぽ向くと、皐月さんはまぶしいような笑顔で、



「そうよね〜。かずりんはすぐ手とか足とか出しちゃいそうだもんね〜」



とくるくるの髪を指に巻きつけて悪戯っこの笑顔で言う



あたしはまた素直に頷く



桃矢くんからいただいたのは盛大なため息だった












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