奴のとなり



「もういいのかよ」



「・・・うん、十分食べ過ぎるほど食べてたよね?」



「もっと食え」



「ぶぇっ!!」



桃矢くんの箸が近づいてくる



もう無理です!!



腹八分目どころか、ちょっと押されるだけでリバースしちゃいます!!



涙目でもう無理だと騒ぎ続けていると、見るに見かねておばさんが助け舟



「かずちゃん!!無理強いするんじゃないよ」



「・・・・・・」



桃矢くんは諦めたのか、箸を皿に戻した




「桜」



「はい」



妙に怖い声だすから、怒られるのかと身構えた



理由はないけど、声怖いんだもん




「痩せ過ぎなんだよ」



零すように



漏れてきた声は悲しげで、あたしは思わず顔を上げた















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