奴のとなり



駆け寄り、桃矢くんの手をとる



ぎょっとしたような顔で振り返り、じっと繋がれた手を見ていた



しれっとした顔してるけど、心の中は爆発しそう



このまま



拒否したりしないでほしい



勇気を振り絞って顔を上げると、優しく微笑む桃矢くんと目があった



たったそれだけのことなのに、泣きそうになった



とっても好きだと思った



さっきまでの不安な気持ちは吹き飛んで、それからは思いっきり楽しめた



目に映る何もかもが楽しくて、



「桃矢くんこれかわいいっ!!」



「犬っ!!」



とにかく壊れてると思われるくらいはしゃいでた



たまに、引かれてないかな?って振り返ると、柔らかい表情を浮かべてるから大丈夫だと思う



街をぶらつき



見たいもの、食べたいものをつまみ、あたしたちはある場所へ向かった



日が落ちたこの時間が似合う、ちょっと路地裏にあるお店











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