奴のとなり
「んじゃ寝るか」
きたーーーっ!!!!
頭の中からポンって爆発音が聴こえる
「そっそだね!どんとこいっ!!」
「なんか体育会系…」
困ったように言いながら、桃矢くんは立ち上がった
そしてどこかに行ってしまった
ついて行くべきなのか?
ただのトイレとかかもだし
落ち着きなんて言葉を無くしたあたしは、ただソファーに腰掛けたままキョロキョロしてた
「桜、まだ寝ねぇのかよ」
廊下からひょっこり顔を覗かせるのがかわいい
「寝るよ!!どっからでもかかってこい!!」
「……」
しっかり意気込みながらも、ソファーから立ち上がろうとしないあたしに痺れを切らしたのか、桃矢くんはあたしの腕を持って立ち上がらせる
「…どうしたの?」
「寝んだろ?」
「そだね」
寝室に入ると、桃矢くんはばふっとベッドにタイプした
あたしもモソモソと布団に入る
ちらっと様子を伺うと、桃矢くんは片肘ついて、あたしを眺めてた
わからんっ
ここからそうなるの?
今ってつき合ってる二人のいい感じなの?
全くいつも通りというか、甘さ0なんですけど
「で、覚悟できたんだろ?」
低くて愉しげな声が頭上から降ってきた
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