奴のとなり
2.鬼の反撃
今、目の前に見えるもの。
それは一樹桃矢という皮を被った
・・・鬼。
あたしは、
その鬼を退治すべく頭をフル回転させていた。
さっき投げてみた豆は、
鬼を怒らせることしか出来ず、
さらにあたしを悩ませる。
奴の表情や態度に縛られていて気づかなかったけど、
何で奴は学校にいるんだ?
確かに風邪で休んでいたはず。
ケイちゃんも寂しいって言ってたし。
奴はあたしの混乱振りを見て、
はぁーっと長い溜息を呆れ気味に吐き出した。
その音に顔を上げ、奴の顔を見る。
何だか、落ち着いているように見える。