奴のとなり
「おまえ・・・覚えとけ」
きらりと光ったような気がした目は、
やたらに綺麗で今さらドキドキしてくる心臓が許せない。
「はい・・・」
消えるような声で答えると、
奴は掴んでいたあたしの肩から手を離して、
またベッドに入っていく。
ケイちゃん・・・、うそつき。
今回の言葉も、奴に対する豆になると思ったのに。
どう考えても違うじゃん。
むしろ餌じゃん。
今日夜まであるか分からない命を大事にしようと考えつつ、
保健室を飛び出した。