奴のとなり
案内されたのは、
西校舎の一番上、
3階の踊り場で屋上の入り口になっている少し広い空間。
屋上は立ち入り禁止になっているため、ここで行き止まり。
埃っぽい階段に比べ、
ここは綺麗で椅子や机がいくつか置かれていた。
「ここが秘密基地」
彼女は優雅に椅子に腰掛けると、
どうぞと言わんばかりに椅子を指し示した。
「お邪魔します」
椅子に腰掛けてみる。
そして彼女をこっそり見る。
彼女がここに座っていると、
まるで階段の踊り場なんて思わせない気品が漂っている。
使う人が使えばこんな所でも基地に思える。
感心していると、彼女はにっこり微笑んだ。