奴のとなり
話し込んでいると、
時間を忘れてしまっていて、気づくと日が傾いていた。
それと同時に、
恐ろしいことに気づいてしまう。
見るからに青ざめ、
慌て始めたことに、
冷静な彼女も眉間に皺を刻む。
「ごめんなさい!
とってもとっても名残惜しいんだけど、
行かなくちゃいけないの!!」
急いで駆け出すと、
後方から彼女が何か言っている声が聴こえた。
でも、内容までは分からなかった。
息も切れ切れに廊下を駆ける。
走っている廊下がやたらと長く感じる。
あまり運動は得意ではないから息も切れる。
それでも止めることなく走り続けた。