ほんとの自分。
6月になると、実習が始まった。
電子機器と回路の接続や旋盤など、様々な実習があった。
太陽は、実習になると、いつも皆より遅れていた。
そして、周りを見渡しながら、焦りを感じていた。
太陽「やべぇ…。終わらねぇ!」
友人「大丈夫か?待っててやるよ。」
太陽「助かるぜ!なんなら手伝ってくれ!」
友人「仕方ないなぁ。」
太陽は、友人が作業をするところを必死に見て暗記しようとしていた。
だが、筆記とは違い、暗記しても作業になるとうまくいかないのであった。
太陽「先生…。助けてくださーい。」
結局、1学期終わりに返却された実習レポートには、
1人遅れているから、頑張ろう。
と書かれる始末だった。
太陽「オレ、向いてないのかな…。」
太陽は、落ち込むのが早い。
それが悪いところだった。
太陽「なんで不器用に産んだんだよ!」
と母親に言っている始末だった。
日が増して行くごとに実習が嫌だ。という気持ちが比例するように増していくのだった。