ほんとの自分。

太陽「ほんとにごめん…。付き合えない。」

女「もう死ぬ…。私はこの世にいても意味がない。」

太陽「いや、命は大切にしたほうがいいって。」

女「じゃあ付き合ってよ。」

太陽「だから…。」

女「だから…?」

太陽「ごめん…。」


電話が切れた。

ツーッツーッツーッ…

という音が室内の沈黙を打ち破った。



その日から毎日、メールや電話がきた。

きっとわかってくれる。

そう思い、着信拒否にはしなかったのだ。


だが、日に日にエスカレートする一方だった。


バイトが終わって、携帯をチェックすると、150通ものメールがきていた。


『死ぬ…』
『死ぬ…』

『なんで?』

『好きなんです』

『子ども産みたい』

『幸せな家庭を作るの…』

『私が専業主婦で…』

『ねぇ…ねぇ…』





太陽は、女に対して恐怖心を持つようになっていた。

学校でもメールや電話来ていた。

授業も実習も集中が出来ず、常に恐怖心と脱力感に囚われていた。

< 7 / 9 >

この作品をシェア

pagetop