【さみ短】トモダチのカノジョ(恋愛中毒2)
「じゃあ、俺が取りに行くわ」

のんびりしたいつもの口調で、ヒコが言う。
彼は私の実家に車を乗り付けるのにも馴れていた。
私の母親なんか、ヒコが彼氏だと信じて疑ってない感じだもの。

彼は、誰にだってウケがいい。
だから、いつだって何をしたって許されるのだ。

私と仲良くしている隙に、本命の彼女が出来たって。
……そう、許されるのだ。だって、私は彼女じゃない。


両手いっぱいに、彼宛のプレゼントを抱えて玄関に立つ。
その中に本当は紛れ込ませていた、私からのプレゼントだけ抜き出してそっとゴミ箱に放り投げた後で。


< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop