優しい檻
「先生、私俊と別れて1人で留学を決心したの、先生のお加減なんです。
先生がずっと私を見守ってくれてるって信じてたから」
「先生は何度も私を救ってくれました。私を突き放したり、優しくしてくれたり、応援してくれたり」
船越は黙ってタバコを吸っていた。
「先生、本当は私のことすごく愛してくれていたんでしょう?」
船越は鼻で笑い、タバコを灰皿に押し付けた。
「全くおめでたい奴だな。」
「俺は教師としてお前を育ててきたんだ。
だいたいそんなこと聞いてどうするんだよ。あいつと上手くいっているのに」
「彼とは別れました」