優しい檻


船越は驚いて雪依を見た。
「―何言ってるんだ」

「プロポーズ、断りました」

「―本気かよ?!あいつとせっかく幸せになれるチャンスだったんだそ! この幸せ逃がすなんて…バカじゃねぇの?」

「…そうかもしれません。確かに俊と幸せになるのは夢でした。」

「じゃあ何でだよ?!」

船越はイライラして言った。

「私、やっぱり先生と離れることできない」

「―雪依…」

「…先生…何でドイツに行く前にあんなセックスしたの?
あんなことされたら、…忘れられなくなっちゃうじゃない」


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