優しい檻
船越から連絡も無いまま1ヶ月が過ぎた。
唯一ピアノを弾いている間だけは彼を忘れられた。
真理のレッスンも楽しかった。
ある日、兄の俊一から、雪依に絵のモデルになって欲しいと、依頼を受けた。
今度コンクールがあって、それにその絵を出品したいのだそうだ。雪依を見てイメージがぴったりで驚いたのだそうだ。真理のレッスンの日に少しだけということと、
彼の真剣な瞳と熱意に負けて、承諾してしまった。
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