優しい檻
受難
船越から連絡が入ったのは予定より1週間早かった。
「帰ったから。16時に市民ホールに来い」あっさりした連絡だった。
雪依はしばらく言葉を失っていた。
「―え、本当に?先生…」
「嬉しそうじゃないな。彼氏でも出来た?」
「違います。」
「ま、いいや、来いよ。俺今リハ やってるから。」
雪依は電話を切り、すぐに支度を始めた。
美容院、もっと早く予約すれば良かった。
ああ、また先生に会える。
この日をずっと待ちわびていた。