優しい檻


リハーサルが終わり、向かったのは今日はいつもと違うホテルだった。

「ここ…?」最上階のスイートルームだった。

「凄い、景色!先生、どうしてこんな所に?」

1人で頑張ったご褒美かな。
彼はそう言い、雪依を抱きしめた。

「寂しい思いさせてごめんな」
と優しい声で言った。



「今日は1日、甘えていいぞ」

「本当?!先生」

彼は雪依の頭を撫で、優しく頬に触れた。



「先生、大好き」


雪依は今までにない幸せに酔いしれた。




< 31 / 106 >

この作品をシェア

pagetop