優しい檻
――ステナイデ…オネガイ…オトウサン――
目が覚めると、見たことのない部屋だった。
「――先生…」
そこには船越がいた。
「――私…?」
頭と腕に包帯が巻かれていた。
船越が切なそうにその姿を見つめた。
「全治2ヶ月だそうだ。」
頭が痛い――…
「そうですか…」
「雪依…」
「私、ドジだから、転んじゃって。」
「あのな…」
「先生、入院中看病してくれる?」
「病院にいたら気が滅入るじゃない?先生がいてくれたら、きっとそんなこと忘れられるから。」
「お前…」
「お願い。」
雪依は船越の腕を掴んだ。船越はじっと雪依を見つめた。
「―分かったよ。」