優しい檻

「で、誰?コイツ。彼氏?」
「違います。」

雪依は船越を睨んだ。

「あ、僕雪依さんの生徒の兄です!あ、あの雪依さんに絵のモデルをお願いしてて…」

俊一は船越を父親だと勘違いした様だ。

「へえ。何、ヌード?」
と言い、彼のスケッチブックを見た。

「俊君、ごめん、今日はもう…」

「―あ、はい、すみません、失礼しました!」

「良く描けてる。お前、上手いね。」
「有り難うございます!光栄です。」
俊一は何度もお辞儀して帰っていった。






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