優しい檻

「こうなってしまった以上、俺は絶対あいつを救わなければならないんだ」

―聞きたくない。

「雪依。分かるだろ?」

「―分からない…」
雪依は耳をふさぎ、首をふった。
「――雪依、聞くんだ」
「―嫌…」
「雪依、逃げてちゃだめなんだ」
「いや!聞きたくない!」
< 47 / 106 >

この作品をシェア

pagetop