優しい檻

開けるとチケットが入っていた。
「これ…」
「一人、行けなくなった人がいてね」

「でも、悪いです。受け取れません」

「いいのよ、いつも話し相手になってくれているお礼よ。」

「―そんな…」
「あと、これ、噂だけど、」弓子は雪依に耳打ちした。




「―彼、奥さんと別れたって話しよ」


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