優しい檻

それから徐々に、以前のようにレッスンに通うようになり、
大学にも行くようになった。

船越の言う通り、雪依を救ってくれたのは音楽だった。

音楽は全てを忘れさせてくれる。

「お前、卒業後はどうするんだ」
船越が聞いてきた。

「…就職しようと思ってます。もちろん、そのままピアノは続けます。」

そうか。と、呟いた後、、
「お前、留学する気はないか?」
と聞いた。

「え?」




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