優しい檻

優しい檻



ドイツへ留学して半年が経ち、
ようやく少しずつ留学生活にも慣れてきた。

今まで慌ただしく必死だった生活が慣れてくると、日本が恋しくなった。

ドイツでの生活は本当に自分の力が試される。
いかに自分が小さく弱い人間かが思い知らされた。
ここでは意見を言わなければ、認めてもらえない。言葉がわからなくて凄く苦労しているが、伝える気持ちがあれば、どんなことでも相手はきちんと聞いてくれた。

他人のことなど見ていない今の日本とは別世界だった。


雪依は集団生活が苦手だったが、誰かに助けてもらわなければ生きていけないということも分かった。




< 95 / 106 >

この作品をシェア

pagetop