優しい檻
「俊、私がここにいるって誰から聞いたの」
「あいつだよ。」
「え?」
「船越が話してくれたんだ 。全てね。」
「あいつに怒られたよ。
雪依がどんな気持ちで僕を突き放したかわかるかってね。わかるなら、責任持って雪依を幸せにしろって」
「―先生…」
「雪依、ごめんな。」
と言い、ポケットから小さな箱を出した。
「―俊…」
「開けてみて」
開けると、指輪が入っていた。
「…あの頃の僕は馬鹿だった。君を信じようとしないで。でも、やっぱり僕は雪依を愛してる。」
「―俊…」
「お互い留学が終わって日本に帰ったら、結婚してほしい」