向日葵-the black cat-
「お話し中失礼しまーす。」
そんな声がリビングの端から響き、ヨシくんとふたり、顔を向けてみれば現れた人物に、俺は思わず眉を寄せてしまう。
彼、智也はそんな俺を丸っきり無視といった感じでこちらへと足を進めてくるのだから、嫌になるのだが。
「出たよ、忠犬。」
「は?
つか、アンタ相変わらずムカつきますよね。」
「最高の褒め言葉だな。」
多分、本当に久々に会ったと思うんだけど、まだ働いてたのかよ、なんて俺は、智也に向けて隠すことなく嫌味を混じらせてしまう。
それは彼もまた同じだったようで、軽く睨み合う俺らをヨシくんは、クスリと笑いながらに煙草を消した。
「あ、ラッブラブおめでとーございまーす。」
一瞥してみれば、智也は思いっきり棒読みでそんな台詞を向けてくるわけで、俺はそんなものをハッと鼻で笑うように返してやった。
「羨ましがれよ。」
「全然羨ましくありませんけど。」
「手も出せなかったくせに?」
「出せなかったんじゃなくて、出さなかっただけですよ。
俺は弱ってる女の隙を突くような真似はしないタイプなんす。」
「へぇ、言うねぇ。
友達だとしか思われてない分際で。」
「知ってます?
恋人より友達が大事、ってこともあるんすよ?」
本当に、相変わらず喰えない男だ。
少しは焦った様子を顔に出したり、なんてことはねぇのかよ、と思わず俺は、舌打ちを混じらせそうになる。
そんな声がリビングの端から響き、ヨシくんとふたり、顔を向けてみれば現れた人物に、俺は思わず眉を寄せてしまう。
彼、智也はそんな俺を丸っきり無視といった感じでこちらへと足を進めてくるのだから、嫌になるのだが。
「出たよ、忠犬。」
「は?
つか、アンタ相変わらずムカつきますよね。」
「最高の褒め言葉だな。」
多分、本当に久々に会ったと思うんだけど、まだ働いてたのかよ、なんて俺は、智也に向けて隠すことなく嫌味を混じらせてしまう。
それは彼もまた同じだったようで、軽く睨み合う俺らをヨシくんは、クスリと笑いながらに煙草を消した。
「あ、ラッブラブおめでとーございまーす。」
一瞥してみれば、智也は思いっきり棒読みでそんな台詞を向けてくるわけで、俺はそんなものをハッと鼻で笑うように返してやった。
「羨ましがれよ。」
「全然羨ましくありませんけど。」
「手も出せなかったくせに?」
「出せなかったんじゃなくて、出さなかっただけですよ。
俺は弱ってる女の隙を突くような真似はしないタイプなんす。」
「へぇ、言うねぇ。
友達だとしか思われてない分際で。」
「知ってます?
恋人より友達が大事、ってこともあるんすよ?」
本当に、相変わらず喰えない男だ。
少しは焦った様子を顔に出したり、なんてことはねぇのかよ、と思わず俺は、舌打ちを混じらせそうになる。