向日葵-the black cat-
彼女は俺のこと“クロ”と呼んだけど、別に名前なんて大した意味を持たないし、彼女がそれで良いなら、俺もそれで良いってゆーか。


第一印象は我が儘な女って感じの夏希だったけど、喋ってたら楽しかったのは意外だった。



『つか、年は?』


『じゅーはち。』


『学生、じゃねぇよな?』


『あたし、学校とか行ってないし。』


『じゃあ、働いてんの?』


『売春してんの。』


『―――ッ!』


別に、風俗やってる女とも関係持ってたし、それについては何とも思わなかったけど、でも、実にあっけらかんとして言い放たれて、こっちが逆に驚いたっけ。


普通、そういうのって隠すもんだろ、って。



『…ウリ、やってんだ。』


『失礼な言い方しないでくれる?
売春婦、って立派な職業なんですけど。』


すげぇな、コイツ、必死で生きてるよ、って。


本気で面白い女だと思ったし、久々のツボってゆーか、大爆笑。


夏希と居たらマジで楽しいだろうと思ったし、多分その時にはもう、惚れちゃってたのかもね。



『じゃあ、俺と付き合う?』


『何でそうなるの?
てか、普通に嫌だし。』


『うわっ、即答かよ。』


益々面白いな、と思った。


その時にはさ、コイツなら俺の過去とか全部、簡単に受け流してくれると思ってたから。


俺、お前のこと強い女だと思って、信じて疑わなかったんだ。


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