向日葵-the black cat-
窓から差し込む朝日に染められ、眩しさの中で目を覚ました。


この一瞬だけは、日当たりの良い場所に置かれたソファーの位置を恨んでしまわずにはいられないんだけど。


もう何日経ったのか、てゆーかそれ以前に寝たのか寝てないかですらも曖昧で、口の中に残ったままのアルコールの苦々しさに思わず眉を寄せ、誤魔化すように煙草を咥えた。


そんな俺の前を通り過ぎたのはヨシくんで、俺が知る限り、この人の寝ている姿なんて見たことがない。


爽やかな朝がひどく不似合いで、冷たい瞳はチラッとだけこちらの様子を伺うように動き、でもすぐに、それはため息混じりに逸らされてしまう。



「無駄に生きてます、って顔しないでくれない?」


「お揃いだね。」


「嬉しくないよ。
それに、今のお前となんか比べられたくはない。」


まぁ、そりゃそうだろうけど。


思わず口元を緩めてみれば、彼はあからさまに呆れたような顔をして、肩をすくめた。



「俺としては、早く社会復帰してくれることを望むよ。」


そう、投げられた台詞を受け取ることは出来ず、少しばかり居心地の悪さを覚えてしまい、煙草を口に運ぶようにして言葉を飲み込んだ。


夏希は今頃どうしてるだろう、なんてことばかり考えてるんだから、どうしようもない。



「なぁ、龍司。」


「ん?」


「罪悪感、って感情は、一番タチが悪いと思わない?」


「―――ッ!」


そう、まるで見透かすような瞳に射抜かれて、結局何も言えずに俺は、視線を落とした。


そんなものが自分の中に燻っていることは明らかだったし、まるでそんな俺自身を責めてでもいるような瞳に捕えられる。


滑稽だと、嘲笑っているかのよう。


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