向日葵-the black cat-
「帰るよ、そろそろ。」
「お花は?」
「ヨシくんにでもあげて。」
「もう、あたしになんか会いに来ない方が良いよ。」
「そうだね。」
「じゃあね、龍司。」
「バイバイ、サチ。」
別れ際は、そんな感じだった。
すっかり辺りは真っ暗闇に包まれていて、背を向け歩き出した時、彼女も俺を見送ることはしなかったのだ。
それが多分、別々の道を歩むってことなんだろうけど。
すぐに車に乗り込んで、俺はサチと海斗が暮らす街を後にした。
帰ったら、きっとヨシくんに怒られるだろうな、とか、お土産でも買えば良かった、とか。
そんなことを考えながらの帰り道は、何だか笑っちゃうような感じだったんだけど。
心軽やかになって、色んな事に向き合えた一日は、とても有意義なものだった。
本当に会いたいヤツに会えるほどの勇気は、残念ながらまだないけど、それでも少しだけ、強くなれたような気がするから。
いつか胸張って、お前の前に立ちたいんだ。
夏希は今、何してる?
何を想い、どんな景色を見てるだろう。
俺のこと考えてくれてたらな、なんてことを思いながらまた、そんな自分に苦笑いを浮かべてしまった。
「お花は?」
「ヨシくんにでもあげて。」
「もう、あたしになんか会いに来ない方が良いよ。」
「そうだね。」
「じゃあね、龍司。」
「バイバイ、サチ。」
別れ際は、そんな感じだった。
すっかり辺りは真っ暗闇に包まれていて、背を向け歩き出した時、彼女も俺を見送ることはしなかったのだ。
それが多分、別々の道を歩むってことなんだろうけど。
すぐに車に乗り込んで、俺はサチと海斗が暮らす街を後にした。
帰ったら、きっとヨシくんに怒られるだろうな、とか、お土産でも買えば良かった、とか。
そんなことを考えながらの帰り道は、何だか笑っちゃうような感じだったんだけど。
心軽やかになって、色んな事に向き合えた一日は、とても有意義なものだった。
本当に会いたいヤツに会えるほどの勇気は、残念ながらまだないけど、それでも少しだけ、強くなれたような気がするから。
いつか胸張って、お前の前に立ちたいんだ。
夏希は今、何してる?
何を想い、どんな景色を見てるだろう。
俺のこと考えてくれてたらな、なんてことを思いながらまた、そんな自分に苦笑いを浮かべてしまった。