向日葵-the black cat-
まるで穴が開くほど花言葉集を見つめ、満足してリビングに戻った時には、ヨシくんは待つのに飽きたと言った顔だった。
やっとそこで落ち着いて、煙草を咥えてソファーへと腰を降ろしてみれば、さすがに今日の疲れが襲ってくるのは仕方がない。
「何かさ、どっちかって言うと俺みたい。」
花言葉を頭の中で反復させてみたとき、まるで俺自身が夏希に抱いている感情を表しているようだと思った。
思わず言葉にして苦笑いを浮かべてしまえば、きっと意味がわからなかったのだろうヨシくんに無視されてしまう始末。
「で、満足した?」
「したよ、十分。」
「…お前は俺の頭痛の種だ。」
「へぇ、それはそれは。」
そりゃ、突然訳わかんないことを言ったり、もちろん行動したりする俺に、頭を抱えないはずもないだろうけど。
わざと口元を上げてそう言ってやると、ヨシくんは不貞腐れたようにこちらを睨むだけだった。
「そろそろ真面目になるよ、俺も。」
「…どういう心境の変化?」
「何となくだよ。」
「お前はいつもそうだな。」
「じゃあ、自分自身のため、かな。」
「…龍司からそんな台詞を聞く日が来るなんて。」
「失礼だな。」
もう十分、廃人生活は満喫したんだ。
だからこれからは、自分自身のために。
いや、その先に夏希と会う未来を信じて、真面目に生きなきゃな、って思ったから。
だからもう、過去と言う名の後ろは見ないことに決めたよ。
やっとそこで落ち着いて、煙草を咥えてソファーへと腰を降ろしてみれば、さすがに今日の疲れが襲ってくるのは仕方がない。
「何かさ、どっちかって言うと俺みたい。」
花言葉を頭の中で反復させてみたとき、まるで俺自身が夏希に抱いている感情を表しているようだと思った。
思わず言葉にして苦笑いを浮かべてしまえば、きっと意味がわからなかったのだろうヨシくんに無視されてしまう始末。
「で、満足した?」
「したよ、十分。」
「…お前は俺の頭痛の種だ。」
「へぇ、それはそれは。」
そりゃ、突然訳わかんないことを言ったり、もちろん行動したりする俺に、頭を抱えないはずもないだろうけど。
わざと口元を上げてそう言ってやると、ヨシくんは不貞腐れたようにこちらを睨むだけだった。
「そろそろ真面目になるよ、俺も。」
「…どういう心境の変化?」
「何となくだよ。」
「お前はいつもそうだな。」
「じゃあ、自分自身のため、かな。」
「…龍司からそんな台詞を聞く日が来るなんて。」
「失礼だな。」
もう十分、廃人生活は満喫したんだ。
だからこれからは、自分自身のために。
いや、その先に夏希と会う未来を信じて、真面目に生きなきゃな、って思ったから。
だからもう、過去と言う名の後ろは見ないことに決めたよ。