夏 夢現
≪でも、本当に逢えてよかった≫
何年ぶりだろ?もう見れないと思ってたサナの笑顔を
また見ることができた

「・・・俺も・・・」
≪あのね カイリ≫
「何?」
≪お願いがあるの カイリにしか頼めないの≫
真剣なサナの目を見て少しドキっとした
「俺にできることがあるなら、なんでもするから」
一瞬目をそらした

≪私の体を探して≫
「え・・・」
≪私の体はまだ海の中にあるの!私の体を、この地に埋めて欲しいの≫
「体って・・・あの、もう、その・・・海にもないんじゃ・・・」
≪ううん まだあるの お願い≫
「だけど・・・」
≪カイリはおぼえてない?わたしとの約束≫

約束?

≪思い出して?カイリ私を助けて!≫
「えっ助けてって」
俺の声と同時にサナは消えてしまった
「サナ?!」
≪お願い 助けて・・・≫
頭に響くサナの声
「サナ・・・」
1人海に取り残されてしまった
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