夏 夢現

レーコン

「ば、ばーさん!!」
海からずっと走ってきて
ぜーぜーだよ

「あら 何してるんだい?そんなに慌てて」
「サナに、逢った」
「ほー やっと逢ったのかい よかったよかった」
「はぁ?!なんだよ?なんか知ってんのかよ?!」
「知ってるよお おまえさんのその、なんでも見えてしまう目は
この、ばーさん譲りなんだからね」

混乱する頭をフル回転させて状況を把握しようと
頑張ってるんですけど・・・

「きょとんとしてるね?ま、家の中にお入りよ」
俺は言われるまま家に入った
「さ、何から話そうか」
「全部、意味わかんなくて知りたいけど、とりあえず・・・レーコン」
「レーコンねぇ 一言で言えば魂だよ」

魂・・・

「じゃあ、俺が逢ったのはサナの魂?」
「そうなるね 普通は一定の時がたつと、天国にいくのさ
新しく生まれ変わるためにね」
「サナは?天国にいけねーのかよ?」
「それがおまえをここに呼んだ理由さ」
「あ・・・」
心臓がぎゅって痛くなった
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