夏 夢現
「食べ終わったんなら外へでもいっといで
いい若いもんが昼からだらだらするんじゃないよ!」
ほうきでバシバシ俺の頭を叩いた
「うわっやめろよっほこりが!!」
「ほらほら、いやなら行った行った」

半ば強引に俺は家からほうりだされた
「意味わかんねぇ」
ため息まじりに行く当てもなく歩き始めた
心と裏腹にいい天気なとこがまた腹が立つ
「こんな何にも無いとこでなにすりゃいいんだよ」
あるとしたら
海、山
以上!みたいなかんじ
人もいやしない
誰もいない
・・・と思ったら1人いた

「おやぁ、カイリ君かいあんた?」
なんかダジャレみたいになったけど?おっさん
「そうですけど」
「やっぱり!いやぁ大きくなって
前きたときはいつだったかなあ・・・
こんくらい小さくて4年生くらいだったかな?」
「はぁ・・・まあ」
「本当に久しぶりだったなー懐かしい
この前きたときは確か誰かと一緒だったよね?」
心臓がいっきに加速した
「あの!俺もう行きたいいんで・・・」
「ああ、すまんな
暇なときうちにもおいでな」
笑いながら手をふり去る、おっさん
俺は愛想笑いもできなかった


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