あしたは笑おう
2ケツの前は大牙、後ろに俺が乗るのが基本。
大牙の背中はおっきい。
男の俺でも憧れるぐらいおっきい。
大牙の肩につかまり
猛スピードで学校に急いだ。





「あっそーいえば。もうすぐ大会だよな?」
大牙が勇馬に後ろを振り向いて聞いてきた。

「‥ガシャ!‥おい!あぶねえだろお~!前向いてこげよ。聞こえっから!」


「わりいわりい☆で、大会あるよな?」



「再来週から夏休みにあるサマーカップの予選が始まるらしいんさ。」

サマーカップ
それは熱い夏のバスケの祭典みたいな大会。
県大会並の強豪が集う伝統ある大会。


新光中も昔から参加していたから今年も参加することに決まっていた。



「県大会並の強豪だろ?今の俺たちじゃ‥まだ敵わなくないか?」
大牙はやる気のなさそうな顔で言う。



「確かにな。でもあと一週間以上ある!今日から練習だ。」


「スタメンどうすんの?勇馬、功平の2人は確定としてあと3人は俺入れても同じぐらいのレベルな奴ばっかだぞ。」


バスケは最初5人でやるスポーツ。
その大切なスタメンを考えなきゃならない。


「よし!今日の部活は確か‥オールコート使える割り当てだから紅白戦をしよう☆大牙どー思う?」


「試合だろ!??たとえ紅白戦でも燃えるぜ!勇馬にアピールしてやるからな☆」
大牙はめっちゃ笑顔で俺のほうを向いた。



「あーっ!だから後ろ向くなっ!‥‥‥ガッシャーン‥!」



校門に直撃‥!
ちゃりは壊れなかったが
俺たち2人は膝をすりむいた。大牙は試合できる嬉しさに痛さを忘れて飛び跳ねている。


すりむいた膝を隠しながら教室に向かった。
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