あしたは笑おう
まあなんとか遅刻はセーフ。


「勇馬くん‥膝どうしたの!?」
隣の席の女子にすりむいた膝を見られてしまった。

やべッ‥!はずい‥
ちゃりでこけたなんて言えない。


「たいしたことないんさ!大丈夫だから気にしないで!」

うまい言い訳が見つからなかった俺はこう答えた。



今日の授業は退屈なものばかり。俺の席は窓側。天気もいい。外を見てよう。俺は上の空になりボーッとしていた。



「バシッ!」
後ろから教科書かなにかではたかれた感じが‥


「ゆうーま!なに上の空になってんの!これ教科書、ありがとね☆」


俺をはたいたのは
幼馴染みで隣のクラスの
幸(さち)。
幸せって書いてさちって読む。 いい名前だなっていつも思う☆



「あっ教科書ね。どういたしまして!!」
勇馬は半分、上の空で答えた。


「いつまで寝ぼけてんの~!?ばっかみたい!」
さちは笑いながら俺に言う。ほんとこいつは笑顔が似合う。ちっちゃい頃から幸が笑うと俺もつられて笑っていた。

でも時々悲しいことがあると落ち込む幸も知ってる。
幼馴染みの特権ってやつ。



「笑うなよ~!!」
勇馬は顔を真っ赤にし頑張って幸に返す。





「はいはいっ!そーいえばゆうま部長になったんでしょ?頑張ってね☆」
「おうありがとな☆頑張るわ!」


「じゃあ授業始まるからいくね。ばいばい~☆」


幸が教室に戻った後
俺はまた上の空に戻った。


早く部活にならんかな‥
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