圭二とアヤ2
高校【でっかいもの】
そんなこんなで、アヤがケイジの学校へ転入してくる日になった。
『ピーンポーン』
アヤの家のチャイムが鳴る。
玄関を開けるとケイジが立っていた。
「なんやねん。」
「お迎えじゃ!ぼけ!」
「そうか・・・。」
「似合うなぁウチの制服」
「そうか?ありがとう」
「最近な。ここら辺変質者が多いねん、迎えに来るから先に行くなよ。」
「うん。」
ケイジからいわせれば、こんなのはアヤと一緒に行くためのこじつけなのかもしれない。
「じゃぁ・・・いこか?」
「うんw」
アヤとケイジがこの道を二人で歩くのは中学以来だった。
「なぁ・・・まだあの落書き残ってるかな?」
「ん??あぁ、あのふざけて書いたやつ?」
「うん。」
「ここやなぁ。」
「あ!残ってる!」
落書きといっても、ただチョークで書かれたしりとりやその時書いた言葉などが壁一面に広がっている・・・あの時の世界だった。
「みて!『あいしてるー』って」
「こっちは『天下統一』だってさ。」
その壁には夢のかけらも残っていた・・・
「全部かなってないね」
「天下統一は確実に不可能だけどね。」
「ん?今何時?」
「お!8時ぴったり!やっぱケイジはずごいなぁなかなか・・・「ばか!走れ!」
中学の時はほぼ毎日手をつないで走って学校へ行っていた。
「アヤ遅れる!」
「ん!」
アヤが手を差し出した。
中学の時みたいに手をつないでダッシュで登校・・・。
今は、無理だ!
俺ら、高校生だぜ!
「甘えるな!」
「ケチ。」
「ほら!はしるぞ!」
「もう!まってよ!」
俺は中学に比べて、足が相当早くなったらしく振り返るとアヤはいなくなっていた。