有罪モラトリアム


そして私は彼女にずっと言いたかった言葉を告げた。


私「A・・・私こそ、本当にごめんなさい。
  Aまで巻き込んで、でもずっと何もしてあげられなかった・・・。
  ずっと友達でいてくれたのに。」


A「ユキは何にも悪くないよ。」


その言葉を聞いたとき、私の中にあった心の重圧が、
すぅっと軽くなっていった。


A「ユキ、私がずっと学校行けなかったから、ずっと自分の事責めてたでしょ。」


私「だって・・・私のせいだもん。」


A「私が弱いせいだよ。ユキはよくがんばった。
 一緒に学校に通ってあげられなくてごめんね。
 私は1人でずっと逃げてた。」


私「私のせい・・・。」


A「違う。」


Aは私をぎゅーっと抱きしめてくれた。
暖かかった。
Aの優しさが直に伝わってきて、涙がポロポロと止まらなかった。


理不尽な扱いを受けながらも、決して自分の考えを曲げずに、
信念を突き通し続けた彼女。
学校に来る事はできなくなってしまったけれども、
その姿勢はすごく立派だった。
弱い人間だったら、Sの側にまわって、同じように私をいじめていただろう。


私の事を、信じ続けてくれた。

彼女こそ、本当の友達だ。ずっと大事にしたい。

ありがとう。
ありがとう。

感謝の気持ちが溢れ出る。

Aがいなかったら、私はもっと酷いことになっていたんじゃないだろうか。


私「ありがとう・・・・。」


A「冬休み終わったら、一緒に学校に行こうね。」


私「うん・・・!」
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