有罪モラトリアム

学校のあちこちに自販機が置いてあるのが見えました。
正門の近くには大きな駐車場もありました。
掲示板に「○○祭」と書かれたポスターが貼ってあります。
今回のｲﾍﾞﾝﾄのことかな？
"バレー部、新規部員絶賛募集中！！！"
"きたれ、漫研！"
ぁ、こういう部活もあるんだ･･･。

彼「少し歩きますけど、部室に案内しますね。」

私「はい。」

広場を通り抜けて、少し建物の裏側を通って、
コンクリート造りの建物に案内してくれました。

その建物の一室に彼の部室がありました。
扉の横に大きく「いぶんか」と書かれた板が貼り付けてあります。

中からガヤガヤと人の声が聞こえてきます。

少し重そうなその扉を彼が押し開けました。


彼「おはようございます。」

「あっ、カナタさんおはよー！」

「おっはよ。」

「ちーっす。」


彼が挨拶をすると、みんな一斉にこちらを向きました。
うわー。。。部室までひろーい。。。
暖かいなぁ。暖房が入っているのでしょう。
コンポまで置いてあって、音楽が流されていました。
パソコン、TV、大きな鏡、ホワイトボード、棚に所狭しとならぶダンボール・・・
革のソファーが何故部室に・・・？
中央には長机と、パイプイスがたくさん並べられていました。
マネキンがどこかの国の民族衣装を着て並ばされています。
部室の奥にはカーテンで仕切られている場所もあるみたいでした。
しかもなんか人がいっぱーい。
うちの高校のサッカー部の部室とは比べ物になりません。
私の知っている部室は、ロッカーと棚、サッカー用品にパイプイスくらいしかない狭い空間です。