有罪モラトリアム

騒ぎも落ち着いたころ、彼は私に

「ウエイトレス役の人が全員集まったら衣装合わせを始めますね。」

と言い、何やら忙しそうに部長やほかの人と打ち合わせを始めました。

隣でずっと会話を聞いていたのですが、
予算が○十万円・・・って話を聞いてまたまたビックリ!

すごいなぁ、とただ驚くことしかできません。

カナタさんはその性格のせいもあってか、
部活のみんなからとても慕われていて、
そしてすごく頼りにされているんだなぁ、というのが伝わってきました。

部活での彼の姿は私にとっては新鮮なもので、初めてみる彼の姿でもありました。

そうやって彼の隣にずっといたのですが、何かさっきから気になる視線を感じます・・・。
というと、さきほどからずっと、私の事をじっとみつめている女の人がいるのです。
なんか物珍しいのかなぁ・・・?
部活の人間じゃないから気になっちゃうのかな?

しばらくして、とうとうBとMも部室にやってきました。

B「おはようございます~!」

私と違って、堂々と挨拶をするB。
Mは「俺の彼女も連れてきました。」と得意げな顔をしています。

部室にいたみんなはまた
「おおおお。」っと騒ぎ、
私に浴びせたような質問をいくつかBにもしていました。
Bはその歓迎ぶり(?)に少し驚いていた様子でしたが、
私のように尻込みすることもなく、質問に対してサクサクと答えていました。
部長のOさんを見たときは、さすがに目を見開いてたけどw

Bは私の姿を見つけると、
「ユキ~!」と、すぐに話しかけてきてくれました。

B「ひさしぶり!元気そうだねw」

私「ホント、久しぶりだね!」

Mも私に「よぉ。」と、相変わらずの挨拶をしてくれました。

2人並んでいる姿は、とても自然なものでした。
私とカナタさんの間にあるような、ちょっとした緊張感のようなものは特に感じませんでした。

大学生同士のカップルって・・・こんな感じなのかな?
私とカナタさんだと、住んでいる場所も、通っている学校の環境も、ぜんぜん違うから…。
私の性格のせいもあるんだろうけど…。
私と彼もいつかこの2人みたいに、一緒にいてもすごく自然にみえるようになるのかな…?

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