有罪モラトリアム
そしてIさんは説明を始めます。
イベント会場の地図を取り出して、韓国店のスペースの場所を教えてくれました。
料理は3種類ありました。
ビビンバと韓国風チジミ、ケランパン(中に目玉焼きを入れた今川焼きのようなもの)の3つでした。
これだったら注文を間違う心配もないかも。
あとお茶はウーロン茶か、柚子茶(ユジャチャ)のどちらか1種を必ずオーダーの際にお客さんに選択してもらうとのことでした。
3人のほかに、当日は1人料理を作ってくれる人が来るとのことでした。
集合場所や時間、更衣室の場所などの確認もしました。
あとは名簿に名前を書いて、バイト代が図書券か現金か選べるということだったので…現金にしておきました。

こうして一通り説明を終えて、あとは解散になりました。
もう帰っていいのかな・・・。
でも・・・もうちょっと彼と話したいな・・・。
私は彼の方を見ます。
彼はこちらをちらちらと窺っている様子でした。
何か話したいことがあるのかな??

私「カナタさん。」

私が近づくと、彼はニコニコしながらこういいました。

彼「これからみんなでお昼を食べるんですけど、ユキさんも一緒にいきませんか?」

やっとお話できる!
もちろん、行きますとも!!

私「はいっ!」

彼「お昼を食べた後も僕はここでまだすることがあるんですけど…ユキさんはどうします?」

私「あ・・・。待ってても邪魔じゃないなら・・・せっかく来たので。」

彼「僕は全然構いませんけど…。ただ終わるのは夕方になっちゃうと思います。」

私「待ってます。」

彼「じゃあウエイトレスの人が全員帰ったら、お昼行きましょうか。」

とニッコリ答えました。

部室から次々とウエイトレスの人が引き払っていきます。
Bはもう帰るみたいで、
「またイベントの時にね。」と、私と彼に言って帰っていきました。

そうして部室に残ったのは10名の部員たちと私。
みんなお昼を食べに行くことになって、私も一緒についていきました。
大学のすぐ近くにファミレスがあるみたいで、そこにいくことに。
私は彼の隣を歩きました。
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