有罪モラトリアム

なにしてるんだろう、私。
カナタさんに会うために来たのに。
こんな風に他の人と話してたってちっとも意味がないじゃない。
もうイベントまで会えないんだから。


私「あの、そろそろ戻ります。心配するといけないので。」


Y「良かったら、学校の周りもちょっと周ってみない?
 俺、結構いい車に乗ってるんだw」


な、なんで外を見る必要が…?!
車自慢したいのかな?!


私「結構です。戻ります。」


私は踵を返して、部室の方へ歩き出しました。
Yさんは黙って私の後をついてきました。

部室がある建物のすぐ近くの広場に着くと、
なんとそこにはカナタさんがいました。
心配して探しにきてくれたんだ…。

彼は私たちを見つけると慌てて駆け寄ってきました。


彼「ユキさん!良かった。どうしたんですか??」


Y「校内案内してたんだよw お前がほったらかしにしてたからなw」


なっ・・。
この人、気づいてたんだ。
私が寂しくなって部室から出たこと。
さっきからずっと気になってた。
Yさんって、なんかカナタさんに対しての物の言い方がキツイ。
話の中でも自分とカナタさんをよく比較していた。
だから何か嫌な感じがしたんだ…。

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