有罪モラトリアム

私「あの、勝手にいなくなってごめんなさい・・・。」

彼「良かった。迷子になってるのかと思いました。」

すると、急にYさんは彼に近づいていって何やら耳元で言いました。

彼の顔色が変わりました。

私には、何を言ったのかさっぱり聞こえません。

でも、何か、とても嫌な予感がしました。

Yさんはそのまま部室の方へスタスタと歩き去っていきました。

彼「ユキさん。Yとはこれ以上何も話さなくていいです。」

私「カナタさん…?Yさんに何言われたんですか?」

彼「大丈夫。」


大丈夫って・・・答えになっていません。
でもなんとなくこれ以上聞いちゃいけないような気がして、
彼に言われた通りにしようと思いました。
Yさんとはイベントのグループも違うし、特に接点はないでしょう。
正直言って、私もこれ以上話をしたいとは思いませんでした。


彼「さっき練習は終わりました。」

私「そうなんですか。」

良かった~・・・。やっと、終わったのね。

彼「すみません、ずっと待たせてしまって・・・。」

私「せっかく来たから、もうちょっと一緒にいたかったんです。」


彼は何も言わず、じっと私のことをみつめていました。
あれ・・?



彼「部室に戻りましょうか。」



・・・・・。
やっぱり何かおかしい。
彼に何言ったんだろう?
すごく気になってしまう…。
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