有罪モラトリアム

私「あの、何もされてないですから!
  一緒に校内を歩いてただけです。」

彼「すみません…。わかってるのに。」

カナタさんは立ち上がって、急に私のことをぎゅうっと抱きしめました。
わわわわ。。。。!!


彼「ユキさん。」


ひゃーーー。
またカァァッと顔が赤くなってしまいます。
赤面症って治らないのかな…。

でもいきなり抱きしめるなんて、彼らしくありません。
もしかして・・・妬いてくれたのかな・・・?

うれしい。
ずっと触れたいなって思ってた。
私もぎゅうっと彼を抱きしめ返して、しばらくずっとそうしていました。

イヴの時のことを思い出していました。
あの時私に言ってくれた言葉が頭の中に蘇って、
ずっとこうしていられたらいいのに、なんてまた思ってしまいます。

暫くすると、彼はそっと体を離して、
私の肩に手を乗せたまま、じっと目を見つめていました。



ぁ。も、もしかしてキスされるんじゃ…。


うれしいけど、どうしよう・・・どうしよう・・・


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