有罪モラトリアム



「出ましょうか。」と言い、私からふっと離れました。



ぬぁぁぁ。
何考えてたの、私…。



カバンを持って2人で外に出ます。
部室に鍵をかけて、誰もいない暗い校内を一緒に歩きました。

彼はそっと私の手をとりました。
手を繋いで歩きます。
外は寒かったけど、手を繋いでいるとあまり寒さを感じませんでした。


彼「ご飯食べに行きましょうか。」


私「はぃ。」


彼「おいしい店を知ってるんですが、少し遠いし寒いので車で行きましょう。」


私「車!いいなぁ、運転できてw」


彼「ユキさんも18になったらすぐに免許取れますよ。
  僕のアパートに止めてあります。」


アパート・・。
わー。彼の住んでるところが見れるんだ!
興味津々です!


門を出て、手を繋いだまま、歩いて十数分の距離にある彼のアパートへと向かいました。

Yさんのせいで彼に嫌な思いをさせてしまったけど、
大丈夫、ちゃんと私たちは繋がってる…。

私は安心して、ウキウキしながら彼と一緒に歩きました。

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