有罪モラトリアム

彼「安全運転で行きますねw」

初めて見る、運転中の彼。
あぁぁ、無駄にドキドキしちゃう。
真剣な横顔にめろめろです。

私「いつ免許取れたんですか?」

彼「僕は今通っている大学、実は推薦で入ったんです。
  だから秋頃には大学決まってて暇だったので、高3の時に取れました。」

私「羨ましい話ですねw」

彼「ユキさん、もう今年は受験生ですね。」

私「う・・・。そうなんですよ。」

彼「大体の進路ってもう決めましたか?」

私「やっぱり・・・医療関係の仕事に就きたいなぁって思ってまして。」

彼「合ってると思いますよ。」

私「ほんとですか?」

彼「ええ。」


彼に言われるとなんだか少し自信がわいてきました。
今、私の目の前にはあらゆる可能性が広がっていて、
でもどの道を進むのかは、自分自身で決めなくちゃいけません。

あれでもない、これでもない。

医療方面がいいかなぁと思っていたのですが、しっかりとした自信も持てずにいました。
あと自分に興味があったのは、ピアノと文学の方面でした。

でもどちらも、才能がなければ通用しないだろうと思っていました。

ピアノの先生から、音大に進むつもりがあるなら早めに言ってね、
とは言われていましたが、まだ返事をすることができずにいました。

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