有罪モラトリアム
店を出て、彼と2人っきりの長いドライブが始まりました。
ずっと、他愛も無い話をしていました。
学校の事、部活やイベントの事、ゲームのこと、家族の事、窓から見える景色の事。
話題は尽きる事はありませんでした。
時々地図をみるために何度か停車しましたが、特に迷うことなく私の家へ向かっていました。
そんな楽しい時間は、本当にあっという間で、
私の家が近くなってくると、今度は段々寂しさがこみ上げてきます。
まだ門限までに時間がありました。
私はふと、自分の家の近くに少し大きめの公園があることを思い出し、
私「あの、まだ時間大丈夫なので・・・少し公園で休憩でもしませんか?」
と、また時間稼ぎをしようとしました。
彼「そうですね。」
私「送ってくれたお礼に暖かいジュースでも奢ります。」
彼を公園の方へと案内して、もうすっかり暗くなって誰もいない公園に到着しました。
車を駐車場に止めて、2人で外に出ます。
ぅ。ちょっと寒いかも。
近くにあった自動販売機でコーヒーと紅茶を買いました。
缶を片手に、すいている方の手で彼が手を繋いでくれました。
公園はしーんと静まり返っていて、私と彼の歩く音がはっきり聞こえるほどです。
2人で手を繋いだままベンチに座ってジュースを啜っていました。
すると、急に、
足に変な感触が!!!!!
私「ひぇ!!??」
彼「どうしたんですか?」
足元をみると、なんとネコちゃんがベンチの下にいっぱいいるではないですか。
どうやら私の足に擦り寄ってきたみたいです。
びっくりしたぁ。
彼「ネコでしたかw」
私「びっくりしました・・・。」
彼「あっちに座りましょうか。」
大きな噴水の脇に2人で腰掛けなおしました。