有罪モラトリアム
結婚式・・・。
結婚・・・・・・・?!
いや、確かにゲームの中の話ですけど、
なんとなく複雑な気持ちでした。
もちろん、やってみたいなぁ。なんて気持ちもありました。
物珍しさ、おもしろそう、みんなに祝福してもらえる、ゲームの中とはいえ彼と結ばれるんだ・・・という単純な気持ちです。
でもそんな遊びの延長で、結婚式を挙げてしまうなんて・・・
という思いもありました。
ここまで私の話を読んでいただいた方ならわかって下さるとは思いますが、私が彼に対して抱いていた想いは、
それはそれはとても強いもので、本気の気持ちでした。
私は、少し生真面目というか・・・思い込みが激しいというか・・・
頑固というか・・・こだわりみたいなものを持っていて、
遊びの気持ちで結婚式なんて挙げたくない、と思っていたのだと思います。
別にゲームの中で結婚式を挙げる事自体を、おかしいとか変とか思っているわけじゃないのです。
自分の気持ちが彼に軽いものだと思われてしまうかもしれない・・・と思っていたのかもしれません。
話題性やおもしろそうという興味心で結婚というものを考えていると思われたくなかったのかもしれません。
これがもし、彼の口から「ゲームで結婚式をしませんか?」という自主的な誘いであれば、私は喜んで引き受けていたのかもしれません。
でもこの場合は仲間の口から「盛り上がりついでにしない?」と言われているようなもので、なんだか違う、と感じてしまっていたのです。
肝心のカナタさんの反応はというと、
彼「ユキさん、式、挙げたいですか?」
と、私にまず質問を投げかけてきました。