有罪モラトリアム
先生「A、来てくれたんだな。ユキが連れて来てくれたんだって?」

私「なんで知ってるんですか?」

先生「生徒が噂話してるのを聞いたんだよ。」

A「今までご迷惑をおかけして、すみませんでした。
 これからは毎日ちゃんと通います。問題が解決したので。」

先生「そうかそうか。いやぁ、本当に良かったよ。
   先生、何もできなくてすまなかった。」

私&A「え?」

先生「いじめのこと、知ってたんだ。
   知ったのは冬だけど、どうしたらいいのかわからなかった。
   僕が関わると酷くなるんじゃないかって思ってね。」

私「そうだったんですか。うちの親も今度相談するつもりだったって言ってました・・・。」

先生「2人ともよくがんばったね。さぁ、教室に戻ろう。」

教室に戻り、その日はほとんどホームルームの時間で午前中には授業が終わりました。

授業が終わったので、Aと一緒に帰ろうと、荷物をまとめていたときのことです。

Sが私とAのところにやってきて、

S「これ。もうすぐユキの誕生日でしょ。」

と、大きな手提げの紙袋を押し付けてきました。
手に持つと、ずっしりと重たいです。
私の誕生日は2月です。
誕生日までにはまだ時間があります。

私「え???ぷれぜんと???」

S「ちゃんと渡したから!!Aにも。」

そういって、彼女は走り去って行きました。


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