有罪モラトリアム

トイレから出て、彼に挨拶しなきゃと席に戻ろうとした時・・・

Y「ユキちゃん。」

!!!!

Yさん・・・!
思わず身構える私・・・。

Y「もう帰るの?俺が送っていってあげようか?」

私「Yさんは・・・なんで私に構うんですか?
こないだカナタさんに嘘ついたでしょ。
一体何考えてるんですか?」

Y「教えて欲しい?だったらこっちおいで。」

私「い、いきません・・・!」

Y「なんだよ。カナタに何か言われたのか?」

私「カナタさんに嘘つくなんて、信用できません。
  なんで彼のこと嫌いなの?」

Y「・・・カナタのやつ、Fのことをみんなの前でフッたんだよ。
その場で答えてほしいって言ったのはFだけど、俺はそれが許せない。」

私「それが理由なんですか・・・?
YさんはFさんのこと・・・」

彼「ユキさん!!」

彼が慌てて駆け寄ってきました。
厳しい顔つきをしていました。

彼「いないとおもったら・・・。」

私「トイレに来ただけです…。」

彼「彼女に何かしたら許さない。」

Y「何もしてねーよ。」

私「あの、もう帰ります…。喧嘩しないでください。」

彼「・・・送っていきます。」

彼と2人で居酒屋を出ました。
Yさんは、Fさんのこと好きだから彼が嫌いだったんだ…。
みんなの前でフッたってどういうことなんだろう?
すごく気になってしまう。

彼は私の手を取ると、ずんずんと駅の方向へ向かって歩いていきました。
怒った彼を見るのは初めての事で、私は少し戸惑っていました。
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